温故知新
祖母の一周忌で,仙台に2泊3日で帰りました。
ばあちゃん姉妹も参加し,法要のあとの会食会で
生前は知らなかった,ばあちゃんの昔話をたくさん
聞くことができました。
戦時中に結婚を誓った祖父が,戦後なかなか帰国
せず,親戚中に「戦死したんだから,あきらめなさいと
言われても待ち続け,7年の歳月が流れました。
焼け野原になった仙台の家に,現在住んでいる場所を書いた
立て看板を立てて,戦後の新しい生活を開始していたある日,
祖母の目の前に祖父が現れました。
生きていたのでした。
その時の祖母の顔は,本当に何とも言いあらわせない表情で
忘れられないと祖母の姉妹は言っていました。
その時,周りの人に勧められるままにほかの人と結婚していたら
今の私は存在しなかったはず。
こんなのは,戦争ドラマのなかの話だと思っていたけれど
私のごく近くの祖先が実際に体験していたということを知り
60年前にタイムスリップしたような気分でした。
子守唄のように,戦争の話を祖母から聞いていた私でしたが
祖母と祖父の間の話は聞いたことがなかったのでこれは新しいで
それだけでもこの法事は,祖母の新しい面を知ることができて
新たな祖母が心の中に宿ったセレモニーでした。
「温故知新」とは意味合いが違うけれど,
昔の祖母を知り,新しい祖母を感じた帰郷です。
関連記事